AIのおかげで仕事が楽になるが、自分がバカになるのでは?と疑問が残る今日この頃。
私の職場では、Copilot(コパイロット)という、Officeにくっついてくる“便利なやつ”が当たり前のように使われている。メール文作成や、資料作成、ちょっと面倒なデータの整理まで、あれこれやってくれる。
人によっては、有料版のツールを組み合わせて、さらに効率よく使っているらしい。私は派遣なので、標準装備のCopilotを遠慮なく使い倒している。
特にメール文を書くとき。私は仕事での文章を組み立てるのが得意じゃない。昔は、たった数行の文を考えるのにも時間がかかって、何度も書き直していた。それが今では、言いたいことを箇条書きにしてCopilotに投げれば、だいたいそれっぽい文が返ってくる。
たまに変な日本語だったり、丁寧すぎたり、逆にカタすぎたりするけど改めて指示を追加すれば、それなりに整えてくれる。
ただ、便利だけど、ちょっと怖い。
されどVBA なかなか消えないヤツ

VBA(いわゆる「マクロ」)との付き合いは、2000年代のはじめ。当時は、まだ「すごい!」「自動化できるなんて便利!」ともてはやされていた。私も活用した。
その後、セキュリティの問題が取り沙汰されるようになり、残されたマクロに関する問題もあちこちで聞くように。
- 1993年:VBAがExcel 5.0やWord 6.0に導入される
- 1990年代〜2000年代前半:VBAはOfficeの作業自動化で大人気、企業でも広く活用される
- 2000年代後半以降:セキュリティ問題やモダンな自動化ツールの登場で徐々に見直される
- 現在も一部で根強く使われているが、新技術への移行が進む
今の職場も例にもれず、VBAが主流だった時代に作られただろう残骸が、大量に残っている。世の中では「ノーコードで行こう」と言われて久しいが、じゃあそれで本当に全部代替できるのかといえば、そうもいかないのが現実だ。
これ、正直どうなんだろうなあと思う。
かつてVBA専門で業務改善に携わっていたことがあるが、「もう時代遅れ」と言われる気持ちも理解できる。とはいえ、だからといって今すぐ完全にVBAを手放せるかと聞かれれば、正直、そう簡単にはいかないのが現実だ。
結局のところ、まだまだVBA頼りな面はある。ただ、私なりに心がけていることがあって、それは会社または部署全体で使う共通ツールにはしない、ということ。
あくまで、自分の作業を効率化するための“裏方”として使う。そして、何かあっても一般的なExcel操作で対応できるように、作業の入り口はなるべく誰でも触れる状態にしておく。
VBA×Copilot
そんなVBAも、最近はCopilotのおかげでさらに楽々になっている。
作業で面倒なことがあると、まずはCopilotに「何か良い方法ある?」と相談するようになった。すると案の定、答えはVBAコードになることが多い。結局、VBAに頼る形になってしまうのだ。
VBAと聞くと、多くの人は「Excel VBA」を思い浮かべるかもしれないけれど、VBAは他のOffice製品でも使える。
最近、Copilotに考えてもらったのがOutlookのVBAだ。今の仕事は、メールアドレスの変更が頻繁で、最初はExcel VBAで対応することにした。でもふと「Outlookから直接メールアドレスを書き出してもらえばいいんじゃない?」と気づいて、さっそくコードを書いてもらった。
これがめちゃくちゃ便利で、かなり作業がラクになった。
これが本当に便利で、作業がぐっとラクになった。
もちろん、Copilotに作ってもらったコードをそのまま使うわけではない。必ず自分で確認し、一部修正を加える。不具合が出ることもあるし、コードの意図を理解しておいたほうがいい。
また、セキュリティの問題もある。設定によってはマクロの実行が制限されていることがある。変更すれば使えるようになるが、勤務先によっては「触らないほうがいい」とされる場合もあるかもしれない。
最後に
便利なAIツールのおかげで、仕事は確かにずいぶん楽になった。Copilotの助けで文章や資料作成、さらにはVBAコードまで手軽に書けるようになり、作業効率は格段に上がっている。
ただ、その便利さゆえに「自分の考える力が鈍ってしまうのでは?」という不安も拭えない。VBAも昔は手間がかかったけれど、今ではAIがサポートしてくれて、本当にありがたい存在だ。
だからといって、丸投げはせずに、自分の目で確認し、必要に応じて修正を加えることは忘れないようにしたい。AIやVBAはあくまで「味方」であって、「全部任せる相手」ではない。
自分がどこまで時代についていけるのかは正直わからない。時々、パソコンとは全く関係のない仕事をしたくなる気持ちも湧いてくる。先のことはわからないけれど、もしかしたら1年後には全く違う仕事をしているかもしれない。