白髪が気になり始めてから10年。
髪が痛むのが嫌で、ずっとリタッチカラーで乗り切ってきた。色は地毛に近いダークカラー。なるべく自然に見えるようにしていた。
ところが美容院によっては「今どきその色はない」と笑われることもあった。それは儲けのために流行色に染めさせたいのか、本気で“ダサい”と思っているのかはわからない。けれど、モヤモヤだけが残った。
リタッチカラーの落とし穴なのか
リタッチを続けるうちに、染める周期はどんどん短くなっていった。
周期が短くなっていった
最初は2か月に1回。それが気づけば1か月に1回。さらに2週間も経つと、もう白髪が目立ち始める。
傷むしお金もかかるので、マスカラタイプの白髪隠しでごまかしながら、なんとか1か月に一度の染めに調整。それでも常に「白髪を隠さなきゃ」と追われているような感覚から抜け出せなかった。常に白髪を隠すために追われているような感覚。
いっそのこと白髪ヘアにしてしまおうか、とも考えた。けれど一気に真っ白になるわけではなく、おそらく「汚らしい」中途半端な期間が長く続く。
派遣で働いていることもあり、そんな状態では仕事が決まらなくなる可能性もある。
カラーで白髪が増える?
このままでいいのかと疑問を持ち始めた頃、白髪に関する本を何冊か読んでみた。

- 頭皮がしみる、かゆい、痛い → 体からの危険信号
- 無理に我慢してカラーを続けると、頭皮にダメージが蓄積する
- その結果、髪が細くなる・抜けやすくなる・白髪が増える悪循環につながる
- 本当に「いい白髪ケア」は、頭皮にやさしく健康な髪を育てることを重視する
「アルカリのカラーリングは白髪を増やす可能性がある」という内容が気になった。薄々感じていた嫌な予感が、やっぱりそうなのかもしれないと思った。
アルカリリタッチカラーをやめる決心をした瞬間だった。
ヘナカラーという選択

過去にも一度だけヘナカラーを試したことがある。今回はもう戻らないつもりで本格的に切り替えることにした。
一部のサイトや本には「ヘナを続けるとアルカリ性カラーに戻れなくなる」と書かれている。だが、もうアルカリ性カラーに戻る気はない。だからそれはデメリットではなく安心材料になった。
いくつかのヘナカラーを試してみた。最近購入したのは、これ。

ヘナ染めは赤茶色になる。黒っぽく仕上げたい場合はインディゴで染める必要があるため、今回はヘナとインディゴのセットを購入した。
一度ヘナで染めた後、インディゴで染める方法だが時間がかかるので、染める前にヘナとインディゴを混ぜて使用している。
ヘナに切り替えてから3か月。悪くない。むしろ良い。
染めた当日は、ヘナを洗い流したあとにかなりきしむ感覚がある。けれど気になるのはその日だけ。翌日からは逆にサラサラで指通りがよくなる。
匂いも最初だけで、慣れてしまえば気にならない。
最後に
白髪は年齢とともに自然に増えていくもの。それでも、やっぱりまだ隠したくなる自分がいる。だからこそ、自分が心地よいと思える方法を選びたい。
アルカリ性のカラーはしみるし、染めても白髪が生えるのが早くなる。やめてよかったと今は思っている。
私の本当の願いは、歳を重ねた人が「老いは嫌なもの」というマイナスイメージで語られるのではなく、むしろ尊重され、美しいものとして受け止められる社会になること。そう願いながらも、まだ白髪を隠している自分がいる。