
宿舎ってボロくて汚くて激安なんでしょ。というような情報を目にすることがあります。東京で住んでいた宿舎は築年数浅めで、賃料は激安ではありませんでした。
香川から東京へ引越しが決まったのは、東京での初出勤の1週間くらい前でした。香川では民間で借りたアパートに住んでいて、快適だったのでまた民間希望でしたが、部屋探しする余裕はありませんでした。とりあえず宿舎に住み、嫌だったら引っ越そう、ということになりました。
その時に提示された宿舎は1か所で、断ったら次はもっと条件が悪くなる可能性もあるので、とりあえず決定。そして書かれていた使用料をみて驚きました。

こんな方に向けた内容です。
現在、国家公務員またはその家族で、
- 東京の宿舎に住むか、民間の賃貸を借りるか迷っている
- 東京の築年数浅めの宿舎の部屋や設備等を知りたい
- 賃貸住宅のメリット・デメリットを知りたい
- 公務員宿舎のメリット・デメリットを知りたい
国家公務員の引越し費用(移転料)は、定額支給から実費支給に変更されましたが、これからも自己負担(赤字)の場合もあり。




公務員宿舎は、ボロイ宿舎が標準か!?


現在住んでいる宿舎は、平成のはじめの建物ですが、ボロくはないです。
公務員宿舎or賃貸住宅どっちがいい?
基準にするもの別に、宿舎or賃貸の選択方法についてまとめました。
とにかく楽が良いなら賃貸住宅
お金のことを考えないのであれば、賃貸住宅が良いです。
賃貸住宅のデメリット
- 初期費用がかかる(敷金・礼金・仲介手数料など)
- 宿舎より賃料がかかる可能性がある
- バイクがある場合、停める場所がないかもしれない
- 退去時に更新の時期と重なると余分な出費が増える
「退去時に更新時期と重なる」についてですが、普通借家契約での賃貸住宅は2年で更新が一般的です。その際に家賃の1か月分の更新料がかかることが多いです。
この2年のタイミングに転勤になると、たった数日程度でも更新料を支払うことになります。以下は具体的な体験談です。
- 契約:2016年4月
- 更新:2018年4月
- 退去:2018年4月中旬
引越し業者の手配ができず、引越し日が伸びた結果、更新料と日割り家賃を支払いました。
賃貸住宅のメリット
- 早い段階で引っ越し先場所がわかる
- 自分で好きな物件を選べる
- 内見することができるので、カーテンサイズなど事前にわかる
- 基本、エアコンがついている
- 清掃などの当番がない
- 退去時の原状回復費用は敷金から差し引かれる
出費をできるだけ抑えたい場合
当たり前の話ですが、毎月かかる賃料で決める方法です。
- 宿舎の使用料 <(賃貸住宅の賃料-住宅手当):宿舎に住む
- 宿舎の使用料 >(賃貸住宅の賃料-住宅手当):賃貸住宅に住む
ただし、上記に次の費用は含んでいません。
- 宿舎:初期費用はかからないが、退去時に原状回復費がかかります。金額は状況や宿舎により異なります。
- 賃貸住宅:基本的に初期費用がかかり、退去時の原状回復費用は敷金から差し引かれます。
公務員宿舎のメリットとデメリット
一般的な公務員宿舎のメリットとデメリットです。宿舎は、立地や築年数、使用料などによって異なる場合がありますので、個別の事情に応じて判断する必要があります。
公務員宿舎のデメリット
- 内見できない
- 間取り図すらもらえないこともある
- 転入届提出まで正確な住所が不明なことがある
- 宿舎によっては清掃や集金の当番がある
- 立地が不便な場所のことがある(駅まで遠い)
- 住人に同じ職場の人がいるかもしれない
- 退去時の原状回復のための清掃など手間がかかるし、出費がある
住所に関してですが、もちろん事前に教えてもらえます。ただし、市役所(区役所)での登録と微妙に違うことが今まで何度かありました。
2021年4月から住んでいる公務員宿舎の最寄り駅は徒歩20分。ただしこの駅は、一日の本数があまりない上に、行き先は用事がありませんでした。通勤で利用していた駅は、徒歩40分でした。バスもありますが、バス停までの時間やバスが来るまでの時間、そしてラッシュ時を考えると、歩いて駅に行った方がいい?ということもありました。
原状回復費用が発生するのは仕方ないことですが、管理人の事前チェックが2回あります。1回目で清掃や修繕するところを言われ、厳しい管理人の場合は清掃に結構手間がかかります。時給換算すると、プロに任せた方が良くないか?と思います。
公務員宿舎のメリット
- 初期費用不要
- バイクを無料で停められることがほとんど
- 賃貸住宅を選択するよりも出費を抑えられることもある
賃貸住宅を選ぶけど得したい
賃貸住宅を選んだ場合、初期費用は自己負担のため、できるだけ費用を抑える方法も検討すると良いでしょう。
もし若い方で単身赴任ならシェアハウスという選択もあり。
私がシェアハウスに住んでいたのは、アラフォーのころで私は年配の部類でした。単身赴任や別居などで住んでいる方もいました。
東京・築年数浅めの宿舎の使用料(賃料)
東京で住んでいたのは合同宿舎でした。敷地内には数棟ありました。
- 省庁別宿舎:同一の各省各庁に所属する職員のみに貸与する宿舎
- 合同宿舎:省庁別宿舎以外の宿舎
子どもがいないこともあり、近所付き合いは全くなく、お隣さんの勤務先すら知りませんでした。
宿舎の間取り
3LDKで80平米弱(d規格)でした。
- 洋室:6畳×2室(間仕切できる)
- 和室:6畳×1室
- LD:10畳くらい
- K
部屋に初めて入ったのは、引越し当日でした。事前に知っていた情報は文字のみで、間取り図なし。
自作で間取り図を作成しようと試みましたが、退去から時間が経ったこともあり、作成できませんでした。手書きで書きましたが、部屋の大きさが実際と異なる可能性があるので、掲載できません。
- 住所
- 建物名
- 最寄り駅
- 専用面積
- 使用料
引っ越しの直前まで戸番号(部屋番号)は分からず、引越し手配に困りました。
狭くていいので賃料安い方がよい。すぐ近くに某省庁の宿舎があり、築年数はかなり経過していそうでしたが、きっと安いのだろうな。そこに住みたい!と思っていました。
ちなみに、四国で借りていた部屋は、2LDK・55平米で十分な広さでした。
宿舎の賃料
財務省のサイトのトップページから > [ 財務省の政策 ] > [ 国有財産 ] > [ 国有財産トピックス ] > [ 国家公務員宿舎の削減計画 ] に以下のタイトルがあります。
平成30年4月以降の国家公務員宿舎使用料を引き上げます(平成29年12月8日公表)
「報道発表」のリンクをクリックすると、賃料が掲載されているページがあり、そこに「国家公務員宿舎使用料の見直しについて」というPDFファイルの添付があります。以下は資料の抜粋で、東京23区の新築~15年です。
区分 | 築年数 | 現行 | 引上げ後 |
---|---|---|---|
世帯用係長補佐 | 新築~5年 | 43,000 | 60,000 |
5~10年 | 38,400 | ||
10~15年 | 34,800 | ||
世帯用幹部 | 新築~5年 | 92,100 | 139,400 |
5~10年 | 84,000 | ||
10~15年 | 77,600 |
金額は「円」
この資料によると、2018年(平成30年)4月以降に賃料を値上げたと記載されていて、ちょうど東京へ引っ越した時期です。値上げは2倍近くです。東京23区の引き上げ後の使用料で一番高いのは、新築~15年で「139,400円」です。
住んでいた宿舎は引っ越し当時で築10年、使用料は資料と同じではないですが、近い使用料でした。
宿舎の駐車場
駐車場使用料(平面)についても「国家公務員宿舎使用料の見直しについて」というPDFファイルに使用料が記載されています。
以下は資料の抜粋です。引き上げ前は5,000円で、引き上げ後は15,400円です。
地域 | 現行 | 引上げ後 | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
東京23区の場合 | 5,000 | 15,400 | ||||||||||||
人口30万人未満の市町村の場合 | 2,400 | 3,300 |
引越した時期が使用料値上げ時期だったからなのか、官舎の管理人さんに駐車場使用料を聞いたら「詳しい使用料はわからない」との回答でした。
唯一教えてもらえたのは、
「立体駐車場は2万円台からのはずで、平面駐車場の方が少し安いです」という情報でした。
駐車場の場所は、空いている場所を選べたので安い平面駐車場にしました。結局駐車場料金はというと、引き上げ後の15,400円に近い使用料でした。
この金額は住んでいた宿舎の地域と比較した場合、少し安いです。
東京でも中央区や千代田区だと月額5万円~6万円くらいします。渋谷区のある地域では7万円する場所もあります。それに比べると住んでいた地域は安いとわかります。
東京在住時、引っ越す直前まで不動産業界の会社に勤務していたので、駐車場料金の相場も把握していました。
宿舎のバイク置き場


管理人さんに確認したところ、「空いている場所に停めてください」と言われました。
良さげな場所は、既にバイクが停められていて空いていたのは立体駐車場でした。


住んでいた部屋は10階ということもあったし、住んでいた棟から駐車場まで少し距離がありました。バイク置き場が遠いと、バイクに乗るのが億劫になります。
使用料は取られていません。無料でした。
住んでいた地域のバイク駐車場は、月6千円くらいです。
宿舎の当番
使用料の他、自治会費を口座振替で月6千円弱払っていました。
集金や掃除などの当番は何もありませんでした。
東京の宿舎・建物周辺
敷地内には駐輪場、駐車場、植物、空きスペースがありました。敷地内は住人以外が通り抜けのために入ってよかったので、近所の住人が犬の散歩で歩いているのをよく見かけました。
駐輪場問題


駐輪場は2段になっているタイプだったからか、大きなママチャリだと停めにくいと思います。そんなこともあってなのか、自転車を玄関先に停めている人が大勢いました。
朝と夕方は自転車運びでエレベータは占領されていました。待ち時間があまりにも長いので、私は階段を利用していました。


10階までの上り下りは運動になるので良かったです。
騒音問題
すぐ近くに公園があったのですが、敷地内で遊ぶ子どもがたくさんいました。
ボールは禁止だったけど、守られていませんでした。
駐車場付近でキャッチボールする親子を度々見かけたのですが、ボールが車にあたってもキャッチボールを続けるので驚きました。この出来事は、何度も目撃しました。
住んでいたのは10階だったので、騒音で困ったことはありませんが、1階~3階くらいまでの住人たちはうるさかったはずです。特にコロナで在宅勤務していた人はつらかったはず。掲示板の貼り紙等で知ったのですが、騒音問題でもめていました。
宿舎のゴミ置き場


各棟にゴミ置き場がありました。写真の右側です。
段ボール、空き缶、ペットボトル等はいつでも出せて便利でした。
宿舎のエレベータ付近


集合玄関はオートロックでした。エレベータ付近は無駄なスペースがありました。上の写真の前方です。雨の日はこのスペースで子どもたちが遊んでいました。なぜか遊んでいるのは女の子ばかり。女の子の方が活発だよな。


この日は引っ越し準備で、バイクを陸送するためにデポまで行った帰り
東京の宿舎・室内の様子
退去するときに撮影した写真のため、あちこちに荷物があってわかりにくいかもしれません。
宿舎の玄関


玄関です。
玄関の収納スペースが広かったです。持ってる靴を全部入れてもスペースが余っていました。


上の写真は、四国から東京へ引っ越すときに入れていた段ボール。開けることなくそのままにしていた物。
壁にある2つの黄色(下の写真の真ん中上あたり)は、退去時点検で掃除をするように指摘を受けた場所です。


引越しの日だったため、タイヤを置いてあります。タイヤのある手前の縦長部分は収納スペースです。一度も使ったことがありません。


上の写真には玄関先に自転車のタイヤの跡が残っていますが、以前の住人が残していったものです。
玄関扉前もしくは玄関先のスペースに、自転車を置いている世帯は8割でした。


駐輪場は1世帯2台置けるけど利用者は少なめ。多くの住人はエレベーターで自転車を運び、玄関先に駐輪していました。多いと3~4台の自転車停めている世帯もいました。
玄関を入って少し進んだ場所からの写真です。


宿舎の浴室


洗濯機を運び出す前の写真です。右側に収納スペースがたっぷりあります。ここにタオル類を収納していました。現在の住まいにはない設備で、今はとりあえず紙袋にいれてます。
写真を撮っていませんが、浴槽にお湯をはったあと、追い炊きできます。


ほとんど浴槽を使ったことはありません。
宿舎のキッチン


キッチンには別途「瞬間湯沸かし器」をつける必要なし。蛇口からお湯がでます。
引越しの日だったのでガスコンロは外しています。


キッチンの手前に扉があり、両脇に備え付けの扉なしの洋服かけ(ミニウォークインクローゼット風?)がありました。60着くらいの服をかけれて便利でした。


上は棚になっているので、バック類を置けました。
宿舎の室内・洋室


玄関入ってすぐの場所にある洋室です。
真ん中で間仕切りができる部屋ですが、必要がないのでそのままにして、バイク用品を置く部屋にしていました。間仕切りしないで12畳くらいはあるはずです。
宿舎の室内・キッチンの隣の洋室


キッチンの隣の洋室は、日当たりが良いこともあり、建物の構造上も関係しているのか、とても暖い部屋でした。
下の写真は、洋室にあったベランダです。ここから富士山の上の方がみえました。


洗濯物をたくさん干せる広さでした。
宿舎の室内・和室


和室はここだけでした。
畳の部屋は退去時に修繕対象になる確率が高いので好きじゃない。
まとめ・東京なら宿舎のメリットはある
東京23区内で築年数浅めの宿舎は、賃料がそれほど安くはありません。
宿舎と賃貸のメリットとデメリットを比較した場合、宿舎の方が良いという理由で、そのまま宿舎に住み続けていました。車とバイク2台があると、駐車場のある賃貸住宅は見つかりにくい事情もありました。
宿舎は入居時に費用がかからないけど、退去時に自分で清掃業者等の見積もりから手配をする手間があり、もちろんそれらの費用を支払います。かかる費用は一律ではないので、どのくらいかかるかヒヤヒヤします。
賃貸住宅のデメリット
民間の賃貸で、住んでいた宿舎と同ような条件で借りた場合は、賃料はもっと高くなります。安い賃貸住宅はありますが、木造や鉄骨で音が響く等の問題があります。
また賃貸の場合は、敷金・礼金・前家賃・仲介手数料がかかります。昔ほど敷金や礼金を取らなくなっているとはいえ、入居時に大きな出費があります。
賃貸に住むなら23区外で借りる
どうしても賃貸住宅に住みたい場合は、東京23区内をはずしたエリアを検討した方がよいでしょう。
賃貸を考えていたとき、候補にしたのは東京23区外、東京よりの神奈川県、千葉県や埼玉県。都内から離れれば賃料は安くなりますが、通勤時間が長くなるので、場所選びは悩みどころ。